特別コラム

トレーニング中の人におすすめ! さつまいもはボディメイクの強い味方
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いつ、何と一緒に食べるといい? さつまいもの効果的な摂り方


思った以上に、トレーニングをしている人にぴったりのさつまいも。せっかくなら、より効果的に摂取したいものですが、コツなどはあるのでしょうか? 佐々木さんに聞きました。



おすすめの調理方法は?

「さつまいもは調理の仕方によってでんぷんの構造が変わりGI値が変化するので、できればGI値が低めの調理方法がおすすめ。下記にもあるように、干し芋や蒸したり茹でたりするさつまいもはGI値が比較的低く、血糖値の上昇が緩やか。一方、焼いたさつまいも、いわゆる焼き芋はGI値がやや高くなる傾向があります。油を使うことでカロリーがアップするのは、揚げる・炒めるという調理法。特に揚げたものは糖質がより凝縮され血糖値が上がりやすくもなるので、おすすめはできません。



トレーニングの際におすすめしたいのは、干し芋や蒸したさつまいも。血糖値の急激な上昇を抑え、エネルギーの安定供給に役立つとされています。なお、ゆでたさつまいものGI値は最も低いですが、ビタミンB、Cなどの水溶性ビタミンや、カリウム、マグネシウムなどがゆで汁に流出してしまうため、蒸したほうが良いでしょう。

さつまいもに含まれる炭水化物の大部分はでんぷんです。でんぷんには、消化酵素で分解されにくいため通常のでんぷんよりカロリーが低くなる”レジスタントスターチ”という種類があります。さつまいものレジスタントスターチは加熱後に冷やすことで形成されるため、加熱調理したさつまいもは冷やしてから食べるのもおすすめです」



干し芋と焼き芋、どっちがいいの?

店頭で見かけることが多いのが、干し芋と焼き芋。どちらもすぐに食べられる状態で販売されていますが、トレーニングをしているならどちらを選べば良いのでしょうか?

「干し芋は乾燥させることで栄養素が凝縮されるため、グラム当たりのカロリーや糖質量は高くなりますが、その分、食物繊維やカリウムの含有量は約1.8倍にもなります。ただ、1枚の量が少ないので、食べ過ぎには注意したいもの。干し芋を食べるなら、おやつとして1~2枚にとどめましょう。

また、焼き芋にもボディメイクにおすすめの栄養が含まれています。量的に満足しやすくもあるので、自分の好みに合わせてどちらも上手に利用するのが良いと思います」





いつ、どんなタイミングで食べるのがいい?

「トレーニングの2〜3時間前に糖質を含んだ食事を摂取しておくと、トレーニングに必要なエネルギーとなるグリコーゲンの量を高めておくことができます。さつまいもも、このタイミングで摂取するのが良いでしょう。また、トレーニング後なら1時間以内に。筋肉をつくるたんぱく質と一緒に摂取するのがおすすめです」



食べる量はどのくらい?

「さつまいもの主要栄養素である糖質は、1日分のカロリー摂取量のうち、50〜60%が必要な量です。たとえば、1日の推定エネルギー必要量が2000kcalの場合、糖質+食物繊維からなる炭水化物を1000~1300kcal摂取すると、50~65%の範囲内。糖質は1gにつき約4kcalのエネルギーになるため、1日の摂取量の目安を250~325gにするのが理想です。

なお、ご飯茶碗1杯分の糖質量は約56g。ご飯の代わりの主食としてなら、焼き芋150gほどになります。おやつとして、あるいはトレーニング前後の栄養補給として食べるなら、トレーニング量や自分の体組成、活動量によって調節してください」



一緒に食べると良い食品はある?

「私のおすすめは、りんご。水溶性食物繊維のペクチンが多く含まれており、不溶性植物繊維の多いさつまいもと合わせて食べると、便通の改善などにも有効です。また、抗酸化作用のあるビタミンCやポリフェノールも含まれているので、さつまいもと合わせれば栄養もダブルに。味の相性もいいので、サラダなどにして食べるのが良いと思います」